今回のテーマはESRです。
ESRは主にコンデンサを使用する際に出てくる用語です。
本記事ではESRとは何か?さらにESRの計算方法について紹介します。
ESRとは何か?
ESRは等価直列抵抗の略でコンデンサ内に存在する直列抵抗成分を指しています。
一般的に回路図上でコンデンサは以下記号で示されます。
しかし実際にはコンデンサ内には抵抗成分があります。具体的には赤丸で囲った部分がコンデンサの抵抗成分であるERS(等価直列抵抗)となります。
※インダクタンス成分もありますがここではESRの説明を主とするため割愛します
ここで重要なことはコンデンサにも抵抗成分があるということです。
この抵抗成分によりコンデンサに電流が流れると発熱します。
ESRはなぜ発生するのか?
一般的ににESRは小さければ小さいほどいいと言われています。理由としてESRが大きいと発熱しやすくなるからです。コンデンサにとって発熱は寿命に大きくかかわるためできるだけ低い温度で使用する事が望ましいです。但し、一部例外もあり回路によってESRが小さいと正常に動作しない場合があります。
なぜこのESRは発生するのでしょうか?
主に2つの要因があります。
①電解液がもつ抵抗成分によるもの
②誘電体の誘電分極による遅れに伴う誘導損失が抵抗成分として働くもの
アルミ電解コンデンサのESRは①による部分が大きいです。
非電解系コンデンサ(セラミックコンデンサ等)のESRは②による部分が大きいです。
一般的にはアルミ電解コンデンサはESRが大きくセラミックコンデンサはESRが小さいです。その原因とは上記によるESRの発生要因が異なることが一因としてあります。
ESRの計算方法について
ESRはコンデンサにとって重要なパラメータですがデータシートに記載されていないことも多いです。但し、tan∂と容量性インピーダンスの値から算出できるためその方法を紹介します。
まず各パターメータの関係性を以下に示します。
上記関係性よりERSは以下STEPで算出できます。
①容量性インピータンスを以下式で算出
・Zc=1÷2πfc
②等価直列抵抗を以下式で算出
・ESR=tan∂×Zc
ERSの特性について
最後に簡単にESRの特性について紹介します。
①アルミ電解コンデンサの場合、ESRは温度により大きく変化する
→tan∂の値も温度により大きく変化する(温度依存性が大きい)
②非電解系の場合、ESRは周波数により大きく変化する(周波数依存性がある)
→容量性インピーダンスも周波数により大きく変化する(周波数依存性がある)
→tan∂の値は周波数によりあまり変化しない
上記よりESRは温度や周波数による影響を受けます。
ある部品と比較した場合は、条件をそろえて比較する事が大切です。
最後までお読み頂きありがとうございました。
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