角型チップ抵抗と長辺チップ抵抗の特徴と使い分けについて!

電子部品

角型チップ抵抗と長辺チップ抵抗について共にチップ抵抗ですがどうして角型と長辺の2種類があるか疑問に思ったことはありませんか?

使用頻度としては角型チップ抵抗が多いと思いますが、それぞれ特徴があります。

製品の特性や使用する箇所によっては角型チップ抵抗ではなく長辺チップ抵抗を選択した方がいい場合があります。その判断をするには、角型チップ抵抗と長辺チップ抵抗の特徴を抑えることが大切です。

そのためそれぞれ特徴を比較したので部品選定の参考にして下さい。

角型チップ抵抗・長辺チップ抵抗とは

共にチップ抵抗で電極が部品に対し長い側又は短い側にあるかの違いです。

角型チップ抵抗:電極部分が短い側にある
(例:3216サイズの場合、1.6mm側が電極となる)

3216角型チップ抵抗

長辺チップ抵抗:電極部分が長い側にある
(例:3216サイズの場合。32mm側が電極となる)

1632サイズ長辺チップ抵抗

角型チップ抵抗の特徴

【特徴①】
値段が安い。
同一スペック(定格損失が同一)で比較した場合、角型チップ抵抗の方が安い傾向

【特徴②】
耐パルスに強い。
同一スペック(定格損失が同一)で比較した場合、角型チップ抵抗の方が耐パルスが強い傾向

【特徴③】
種類が豊富。
高精度抵抗、耐サージ抵抗など角型チップ抵抗は色々な種類がある

長辺チップ抵抗の特徴

【特徴①】
温度サイクル性に強い。
長辺チップ抵抗は電極面積が大きく、電極間距離が長いため温度変化に対して強い

【特徴②】
形状が小さい。
同じ定格電力で比較した場合、長辺チップ抵抗の方がサイズが小さくなる

<KOA製抵抗の1Wを比較した場合>
・角型チップ抵抗1W品=6331サイズ(6.3㎜×3.1㎜=19.35㎜²)
・長辺チップ抵抗1W品=2550サイズ(2.5㎜×5.0㎜=12.5㎜²)
上記より長辺チップ抵抗を使用することで部品面積を35%低減できます。

【特徴③】
放熱性が優れている。
長辺チップ抵抗は角型チップ抵抗と比較して電極面積が大きいため放熱性がいい
(電極面積が広い=実装するパターン面積も広いためより放熱しやすくなる)

角型チップ抵抗と長辺チップ抵抗の使い分け

①特殊な抵抗を使用したい場合
耐パルス抵抗や耐硫化抵抗など一般抵抗以外を使用する場合は角型チップ抵抗がお勧め。

②部品の実装面積を減らしたい場合
基板のサイズが決められている場合、回路をサイズ内に収めるため実装面積を減らしたい場合、長辺チップ抵抗がお勧め

③部品の発熱を抑えたい場合
放熱性が優れている長辺チップ抵抗を使用ることがお勧め。但し、その際は長辺チップ抵抗に合わせてパターン幅を広くとる必要があります

④耐温度サイクル性を向上させたい場合
電極間距離が短い長辺チップ抵抗がお勧め。

最後に

角型チップ抵抗・長辺チップ抵抗にはそれぞれ特徴があります。
そのため搭載する製品の特徴や使用する回路により使い分ける必要があります。
その結果、実装面積を低減させたり信頼性を向上させることができます。

一方で角型チップ抵抗を使用できる箇所に長辺チップ抵抗を使用するするとコストUPする懸念があります。設計する際は上記点を踏まえて部品選定することが大切です。

以上、最後までお読みいただきありがとうございます。

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