今回のテーマはダイオードです。
ダイオードには色々な種類があり、またそれぞれ特性があります。
本記事では主にダイオードの特性とダイオードの種類について解説します。
ダイオードの記号と構造について
ダイオードの特性を説明する前にダイオードの回路記号を紹介します。
Aと書かれている方がアノード、Kと書かれている方をカソードといいます。
どちらがアノードでどちらがカソードがしっかり理解する必要があります。
次にダイオードの構造です。
簡単に言えばP型半導体とN型半導体を接合した部品です。ここで半導体という言葉がでてきましたが、半導体とは電気を良く通す導体と電気を通さない絶縁体の中間の性質を持った物質の事をいいます。
またP型半導体、N型半導体は以下となります。
・P型半導体=Pはpositive(正)の頭文字をとったPで正孔を多数持っている半導体
・N型半導体=NはNegative(負)の頭文字をとったNで電子を多数持っている半導体
ダイオードの特性について
<特性1>
・カソードに対してアノードの方が電位が高い場合
→アノードからカソードに向かって電流が流れる(ON状態)
・カソードに対してアノードの方が電位が低い場合(カソードの方が電位が高い場合)
→カソードからアノードに向かって電流が流れない(OFF状態)
※但し実際はカソードからアノードに向かって微小電流が流れている(別途、解説)
<特性2>
アノードがらカソードに向かって電流が流れている時、アノード電位に対しカソード電位は約0.6V程度低下する。上記電位差を順電圧と言う。
<特性3>
電極間(アノード~カソード間)には並列にコンデンサが繋がっているように見える。このコンデンサを接合容量という。
※実際にコンデンサが入っているわけではないので注意して下さい
<特性4>
ON時からOFF時の際に逆方向に短時間逆電流が流れる。逆方向に流れている時間を逆回復時間と言う。
<特性5>
カソードに対しアノードの電位が低い場合をOFF状態と言いましたが、実際には僅かですが電流が流れます。上記電流を逆電流と言います。但し、同電位の場合は逆電流は流れないのであくまでカソードの電位の方が高い場合と認識下さい。
<特性6>
順方向電流が大きくなると順電圧が大きくなる。順方向電流とはアノードからカソードに向かって流れる電流です。
<特性7>
温度が高くなると順電圧は小さくなる。
ダイオードの種類について
ダイオードの特性では色々な特性があることを紹介しました。この特性を打ち消すために色々なダイオードが開発されました。今回は代表として以下3種類のダイオードの特徴を紹介します。
・一般ダイオード
・ファストリカバリーダイオード
・ショットキーバリアダイオード
【一般ダイオード】
・順電圧が高い
・逆回復時間が長い
・逆電流が小さい
・耐圧が高い
【ファストリカバリーダイオード】
・順電圧が高い(一般ダイオードより高い)
・逆回復時間が短い
・逆電流が小さい
・耐圧が高い
【ショットキーバリアダイオード】
・順電圧が低い
・逆回復時間が短い
・逆電流が多い
・耐圧が低い
そのため回路によって上記ダイオードを使い分ける必要があります。
以上、最後までお読み頂きありがとうございました。
コメント